#001〜#050  #051〜#100  #101〜#150  #151〜#200 #201〜#250 #251〜#300 #301〜newest


日々コレ好物 〜 Favorite collection of my daily life




#200  よき日  〜 The One


   What? Over? Did you say ”Over”?

   Nothing is over until we decide it is.


   何? 終わった? もう終わったって言いたいのか?

   俺たちが終わりだと決めない限りは何も終わるわけがないじゃないか!




1978年公開のお馬鹿映画 「アニマル・ハウス」 の中で

ジョン・ベルーシ演じるところのブルートが、意気消沈している仲間に投げかける言葉です。

スピーチは続きます。



   
Where’s the spirit?

   Where’s the guts,huh?


   お前らの心はどこへ行ってしまった?

   お前らの勇気は失せてしまったのか?



そして



   
This could be the greatest night of our lives

   but you’re gonna let it be the worst.


   なんの代わり映えもしないこんな夜が、

   気持ちの持ち方ひとつで人生最良の夜になるかもしれないというのに

   お前らはそれを見す見す最悪なもので終わらせようとしている!



高校時代に観たこの映画のこのシーンが今でもたまに頭に浮かびます。


これから始まる一日をよい一日にするのも、

過ぎた一日をよい一日であったと感じ取るのも、

自分次第。


自分の主役は自分でありたいと思います。

                          2010年1月23日






      





             ♪どんなときも。





#199  魂  〜 steps ahead


昨年末のNHK紅白歌合戦をDVDに録画して出張先の上海のホテルで見ました。

今まであまり腰をすえて見たことがなかったのですが、かなり集中して見ました。

感動しました。

晴れの舞台に臨むプロの意気込みが画面から伝わってきました。

特にDREAMS COME TRUE のステージには胸を打たれました。

演奏された「その先へ」という曲は、初めて耳にする曲でしたが、歌詞を追っていくと

作詞者であるボーカルがパートナーを亡くした事に思いが及びました。

最後の「みんなの愛する人に届くように歌え もう会えない人に届くように歌え」という叫びは

ストレートに心に届く強いメッセージでした。

気がつけば聞いた事がない中国製テレビの画面に拍手をおくっていました。

                                    2010年1月20日





             





                その先へ







#198  3代目  〜 A part of me


新しいメガネとかけまして

笑点とときます

そのこころは

どちらも しかい が輝いています


    〜 しばし失笑 〜


Oh! ヤパリベタナノデスネ!!


明日から工房への出張なのでこんな事をしている場合ではないのですが、

年末に注文した新しいメガネが出来上がり、そのあまりの視界の明瞭さに感動し、

その感動をしたためたくPCに向き合った次第です。

といいますのも新しいメガネは同じメーカー、同じ形、同じ度数で今回が3代目。

唯一変えたのは柄の部分の色。えんじ色からグレーに。

そんな理由から配偶者に 「ほら!」 と言って顔を左右に振って見せびらかしても

「ん?????」

と、全く気付かれず・・・・・

心の声を日々コレに・・・・・


「いいんだ! 一緒に中国行こうね メガネ君!!」

                2010年1月11日





          




                ♪Johnny Nash







#197  やっぱりベタが好き  〜 Why not!


♪あまり恥ずかしくない 恥ずかしいとあまり思えない

 僕の身体が昔より おっさんになったからなのか

 ソファーで視ていた とてもベタなテレビドラマ

 いくつものくさいシーンが いくつもの涙を誘った

 壮年期にオトナから おじさんに変わる

 道に迷っていた 老眼鏡もないままに

 飾られた行き場のない 押し寄せる人波に

 本当の 『好き』 を教えてよ 壊れかけのRadio♪

        ♪壊れかけのRadio



10代20代の頃はベタなものをよしとする事に恥ずかしさを感じ、その反動からか

難解で、ひねりの効いたモノをしたり顔で「いいねー」などと言う事で自己演出しておりました。

そんな風に背伸びをする事で色んな世界を見ることが出来た事を無駄だったとは思いません。

今でもその姿勢は持ち続けなければと感じます。

でも・・・・・

かっこつけて好きなモノを好きじゃないフリをするのは・・・・・・・

かっこわるいモノをかっこいいと言ってかっこわるいと思われるより何倍もかっこわるい!


「ベタでよし! くさくてOK! わかりやすいの大好き!」」

胸を張って自分自身にそう言いきれる勇気を・・・・・・

身につけたいと・・・・・・・・・

思いますが・・・・

んー 意識しなくても大丈夫みたいですね。

それは勇気ではなく図々しさでしょうか?。

                      2010年1月9日




       

昨年の定禅寺ストリートジャズフェスティバルにおける CHEEP PURPLE のみなさんの勇姿!
DEEP PURPLEのライブ盤Made In Japanを再現する姿勢に迷いなし!感涙!鳥肌!鼻水!爆笑!



  ♪
Highway Star          ♪I only wanna be with you    I want you to want me


  ♪I was made for loving you  ♪Since You've Been Gone      ♪Fat Bottomed Girls


  ♪Hit me with your best shot  Back In Black            ♪Black Or White






謹んで新春のお喜びを申し上げます


旧年中は当社並びに当HPをご愛顧頂き、誠にありがとうございました。

本年も何卒宜しくお願い申し上げます。

皆様にとって良き一年でありますよう心よりお祈り申し上げます。  合掌







         








           平成二十二年一月一日




              仏像彫刻原田社員仏工一同









#196  ニャンコロジー  〜 Tell the Truth



   〜 じんべえぼやきカルタ 〜





     お
        
   ♪Bob Marley








  あ
             ♪MJ








           も
    John Mayall Bluesbreakers with Eric Clapton  








       で
                    Sungha Jung








  ね
    
  ♪Black Eyed Peas








      ひ
         
  ♪Love letter








      ら
         
  ♪Survivor





                                    2009年12月23日







#195  冬色  〜 A whiter shade of pale


♪こたつの中の猫はアクビをしながら 

 今日も一日を過ごしてゆく

 何も変わらない 真っ白な街並み

 子どもたちは雪が降ったって浮かれ気分なのに

 君は一人浮かない顔してるネ

 そうだ君に見せたいものがあるんだ

 青い青い4時半の夕暮れ 子どもの頃と同じように

 山も空も広場も僕らでさえも染めてゆくから

 この長い長い雪の坂を 君と一緒にそりにまたがり

 ハナミズちゅるりん凍らせながら

 ビュンビュン ビュンビュン下ってく


 新雪に寝転がりシバシバしながら

 舞い落ちる雪をパクパク食べてる

 あの時と同じ 空に消えてゆく白い息

 ヒートテック着込んでモコモコしてるのに

 君はずいぶん寒そうな顔をしてるネ

 そうだいつかの あの場所へ行こう

 真冬の夕方の水銀灯は不思議なほど心静かになる

 少しだけ全て忘れてフード越しの音の中包み込まれてゆく


 この滑る滑る通りを抜けて

 誰もいない大きなグラウンドの真ん中で

 ちぎれそうな耳を手で覆い ゆっくりゆっくり息を吸う


 いつか君のメガネがくもりそうになったら

 何もしてあげられないけど

 ティッシュ一枚あげるよ


 この長い長い雪の坂を 君と一緒にそりにまたがり

 ハナミズちゅるりん凍らせながら

 ビュンビュン ビュンビュン下ってく

 ビュンビュン ビュンビュン下ってく

 ビュンビュン ビュンビュン下ってく



んーやっぱりノスタルジーで寒さはしのげませんネ。

                   2009年12月16日






     





                   ♪夏色  







#194  ぼくの好きな先生  〜 lead me!


宗達は近くに住んでいたから、絶対に三十三間堂風神雷神を見てから

建仁寺の傑作「風神雷神図」を描いたはず。

実際に博物館で展示してみてわかりましたが、

あの絵の迫力を生み出しているのは中央に大胆にとられた金の無限空間です。

だからあの一双の屏風は間をかなり離して置くと生きてくる。

僕はあの金の空白は、宗達が見た三十三間堂の風神雷神の間に

仏像千体がズラーっと存在しているからだと考えますね。

銀は経年変化していく物質、でも金は変わらない。

だから永遠に変わらないものは金で表現し、変化するものは銀で描く。

「風神雷神図」でいえば背景は金だけど雲は銀。

宗達は時代とともに絵が変化していくことを知っていたんでしょう。』


10行ほどにおさまる解説ですが、その解説によって同じものがかくも違って見えてくるものかと・・・・・

ある雑誌の対談記事の中で狩野博幸先生が日本美術に関して語られた部分を読んでそう感じました。


基礎知識を持たないまま、偶然、又は偶然のように出逢い、

ごく自然にその作品の世界に引き込まれる事が叶えば、

それはとても幸運で理想的なめぐり合わせだと思います。

更に、その作品の背景や、作者の人物像、創作の秘密などを知る事で、自分の範疇を越えた更なる扉が開き、

それによってその作品をもっと好きになる事が出来れば、

それはその分だけ自分の世界が広くなるという事ではないかと・・・・・。


言葉では言い表せない事を味わうための 糸口 を与えてくれる言葉。

新しい世界への橋渡しをしてくれる言葉。

より深い心の動きを導き出してくれる言葉。

その物を表していなくとも、その物の何かに触れさせてくれるチャンスをもたらしてくれる言葉。

そんな言葉はそのまま、その言葉自体が先生だと思います。

                          2009年12月12日




      

   〜ただいま1300年前の奈良を準備中です。乞うご期待!〜

      古都へいざなうせんとくんの言葉もそのまんま先生!




      トランジスタ・ラジオ   ♪トランジスタ・ラジオ





#193  間で起こる  〜 Let’s make it happen!


『ちょっと生意気な事を言いますけどね、ある世界的に有名な指揮者の音楽ノートの中に

 〜人間的感動はその人の内部にあるのではなく、両者の間にあるのだ〜 

というのがありまして、僕はこれに非常に打たれましてですねー 

僕は毎日舞台の上で自分の中で感動しているし、

客席は客席の中で感動していると思っていたのだけれど、

感動は客席とあなたとの間に起こるものだと・・

これは僕はすごくいい言葉だと思いましてねー・・・・・・・』


これは、先日亡くなられた森繁久彌さんが約30年前にNHK FMの日曜喫茶室に出演された時、

ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」に関して語られた部分の一部です。

追悼番組で再放送されたものを録音して、出張の車の中で聴いたのですが、

2時間近くの間、心が奪われたままでした。

上記の言葉を拝借すれば

 〜30年前の森繁さんと私の間に感動が起こった〜

という事でしょうか?

当然30年前の森繁さんはどこにもいないし、既に亡くなられているのですが、

私の中に起こったと思っていた感動が、

実は私と今は亡き森繁さんの「何か」との間に起こったものだとすれば、

その「何か」は森繁さんそのものであり、

その意味で森繁さんは生きておられると考える事が出来るのではと感じました。


絵画に彫刻、音楽に演劇、文章や語られた言葉、自然の景色・・・・・

有形無形を問わず、何かに接し感動を覚えている時は、

その対象と自分の間で何かが起こっているのかも知れません。

たくさん何かを起こすには、自分だけではダメ、対象だけでもダメ、

両者が出逢わなければ始まらないという事でしょうか。

かわいい自分にもっともっと旅をさせたいと思います。

                            2009年12月6日





      

          高速のパーキングで出逢った十四夜のお月様





                     ♪ A Song For You

                     ♪島人ぬ宝

                     ♪You've Got A Friend





#192  結  〜 bond


「彼女と結婚してからもう何十年も経つけど、彼女は年を重ねる度に違う顔を見せてくれる。

だから私はいつも新鮮な気持ちで毎日を送る事が出来るんです。」


アメリカのボストンに住まうご夫婦が以前、奥さんの実家のある山形にいらした時に、

アメリカ人のご主人が、ご自身の奥さんの事をそのように語っておられました。

多才で多彩な女性であるが故の事と思いますが、それを感じ取れる、

もしくは感じ取ろうとされるご主人の姿勢に大きな感銘を覚えたものでした。

(私の中で活かされているかは別として・・・)



40数年前に国際結婚をされたお二人。

三人の子どもさんに恵まれ、先日ご長男がめでたくご成婚。

アメリカでも式が行われたらしいのですが、お母さんの故郷である日本でも式を挙げられました。

会場はかつて彼の両親が式を挙げた同じ場所。

そして、日取りも全く同じ。

私の父が出席したのですが、とても感動的な式だったとの事です。



我々夫婦は新しい門出のお祝いに 「何か記念になるものを・・」 と思い、

楽書の陽子先生に書をかいていただく事にしたのですが、

その書が先日完成し、陽子先生が届けてくださいました。

手元にあった藍染めの麻布を使っていただき、

お母さんのふるさとを連想させる紅花が漉きこんである月山和紙に、 

「結」 の一字を書いていただいた作品。

偶然ではありますが 「藍」 は 「愛」 を連想させ、良い取り合わせとなりました。


お二人のご両親の様に、

時を経るほどに青さを増す藍の様に、

いつまでも新鮮な気持ちで毎日を送られる事を祈り、

海の向こうへお届けしたいと思います。

                         2009年12月3日





            





                    ♪Bangles    ♪上々颱風





#191  成長  〜 How does it feel?


最近の自分の成長ぶりには我ながら驚いております。

喜ばしい事に、かなり実力がついて参りました。

別に意識して努力を積んでいるわけではありませんが、自然の摂理とでも言うのでしょうか。

おかげ様で物事に対する理解力も深まり、その分だけ想像力も増したような気がします。

今では、なぜ手に持った書類を読むのに、その書類を遠ざけたり近づけたりするかがちゃんと理解できます。

指に刺さったトゲを抜くのに近視用メガネのレンズの上から覗き込む理由も明白です。

以前はどんなに食べてもなかなか太る事が出来ずにいましたが、

最近では効率よく脂肪を蓄積できる体質になってきたようで、

このまま順調にいけば冬眠も可能ではないかとさえ感じております。

又、痛くなる頃にはもはや、なぜ痛いのか、 「あれ?どこかにぶつけたっけ?」 と、

原因が数日前の運動である事すら気付かせないほどの インターバル付き成長痛 も経験済みです。

更に、感動力も大変にアップしており、「花王愛の劇場40周年記念番組 ラブレター」の再放送を見ては

目から熱い液体を湧出させたりしております。

最近はけっこう簡単にこの 心の汗 が流れるようになりました。


気がつけばいつのまにか松田優作もジョン・レノンもバカボンのパパも年だけは追い越して46歳。

今のところ 「いやーこれからが青春ですよ!」 という言葉が似合うほどの域には達していませんが、

更なる精進を重ねて参りたい所存でございます。

                              2009年11月27日





            

                      Speaking words of wisdom






                        ♪The Beatles






#190  NHK LOVE  〜 Keep on Rocking


DVDレコーダーを使い始めてからテレビの視聴の仕方が変わりました。


画面に現われる番組表でおもしろそうなものを見つけてはとりあえず予約。

録りためたものを時間のある時にペラペラ雑誌を眺めるようにチェック。

ひっかかりのあったものだけ視聴。

更に、本当におもしろかったものはDVDにダビング。


ざっとこんな感じなのですが、

時間という縛りから開放され、好きなものに出逢えるチャンスが増えました。

とりわけNHKは 「こんな時間帯にこんな番組を!」 と、驚くような面白い番組が多く、

レコーダーの威力に感謝しています。


最近のお気に入りはスタジオパークからこんにちは

セットも雰囲気もいかにも 「お昼のNHK」 という感じなのですが、

ゲストと進行役のアナウンサーとの間で交わされる、

一見極めてNHK的なやり取りの中に垣間見える 「NHKらしくなさ」 が、

非常におもしろく、毎回引き込まれます。


先日のゲストでトップランナーの司会をしている箭内道彦氏は番組の最後、

「いやートップランナーのライバルはプロフェッショナルだと思ってたけどスタパですねー

いゃー武内さんすごいわ。」 と絶賛されておられました。


その武内さんが番組サイトのキャスター通信に記された

『いつの間にか10月ではありませんか〜〜!』

は、いい意味でとてもNHKの女子アナウンサーが書いた文章とは思えず、

読んでいていつの間にか笑顔になっている自分に気付かされました。


さて、もう一つのお気に入りは世界ふれあい街歩き

レポーターが美味しいものや珍しいものを大げさに紹介するのではなく、

知らない街を、興味にまかせて街歩きしているような気分にさせてくれる、素晴らしい番組だと思います。

観ていると 「こんな旅がしたいなー」 と、いつも思ってしまうのですが、

その気になればご近所だって立派な 『世界』。

そんな風に気付かせてくれるのがブラタモリ

東京だけでなくぜひ山形にもお越しいただきたいものです。

あっ!それからタンちゃんぺロくんにぜひご来店いただきたいです!

                             2009年11月13日




       
                 フォト575




           ♪スタジオパーク・スペシャル・ライブ








#189  秋色  〜 Leaves That Are Green...


コンピューターの前で見積り書や注文書を作成するのに疲れ、なんだか眠気が差してきた昼下がり。

気分転換にと庭へ出ると、雨が降っていました。

目に入った庭の様子があまりにも綺麗だったのでカメラを取りに事務所へ。

濡れた落ち葉で滑りやすくなった飛び石の上で転ばないよう注意を払い、

自分もカメラも少しだけ濡れながら撮影。



       



撮影を終え事務所に戻り、濡れたカメラを拭いていると、楽書の陽子先生がご来店。

お願いしていた、『ギャラリーのウインドーに飾る書』を、持って来て下さったのでした。

この「書」は今までもかなりの数を残していただいているのですが、

テーマ以外は全て先生にお任せしているので、初対面の際には 

「どんな言葉が どんな風に・・」 とわくわくします。


今回お願いしたテーマは 「晩秋」。

さっそくギャラリーのテーブルの上に広げられた50cm×150cmほどの白い和紙の上には


  「雪待つ季」   「落葉時雨」   「霜の花」   「彩を想ふ」 


の文字がそれぞれに違った趣で記されていました。



            



落葉時雨 〜 おちばしぐれ  

落葉がしぐれのように舞い散る また、落葉の頃の冷たい雨  との事。


直前に目にした庭の情景が思い出され、

「なんと今にぴったりな言葉なのだろう。」と感動しました。



       



雪待つ季〜ゆきまつとき を迎えた山形は今、鮮やかな紅葉で彩られています。

やがてそれが枯れ色に染まり、霜の花が咲く頃、秋が終わり冬が始まります。


先日撮った沙羅の木の写真には、役目を終えた葉っぱと、

子孫を残そうとする実、そして次代を担う新しい芽が写っています。

私の気分は 春待つ季 です。

                      2009年11月9日




       




            ♪Simon and Garfunkel







#188  苦手  〜 I've got a friend


一度好きになったもので嫌いになったものは・・・・・・?

思い浮かびません。


苦手だったもので好きになったものは?

いくつかあります。


例えば中華料理に使われる香菜

初めて口にした時は、

「せっかくのおいしい料理に何でこんな気持ちの悪い匂いのする葉っぱを入れるんだ!」

と、怒りさえ覚えたものです。

ところが我慢して食べ続けたある日、

「んっ !?」

気持ち悪さが心地よさに転じた瞬間でした。


多くの人が好きだと言うものには、そう言わせる何かがあって、

いつか自分も好きになれるはずだと思っています。

そう思って長年思い続けているものがいくつかあります。

矢野顕子の音楽もその一つでした。

少し前までは・・・・。


苦手度が高かったモノほど好きになった時激しく好きになるのはなぜでしょうか?

ものすごい勢いでバックスケーティングしていたのが反転して、勢いはそのままに前へ進んでいくように・・・


                                         2009年11月3日





    
         
「はじめてのやのあきこ」





            ♪Presto

            ♪中央線








#187  写真  〜 reminder


奈良や京都の有名寺院ではたいてい、お堂の中での写真撮影は許されていません。

そのかわり、図録や絵はがきを売店で求める事ができるわけですが、

お参りさせていただいたお姿や、お堂内部のイメージに重なる写真に出逢う事は稀で、

それならばいっその事

「そういった、記憶を変形させるものは手元に置かないようにしよう。」

と思い、資料として必要な場合を除いて以前ほどは求めなくなりました。


国宝のお堂の中で、三脚を立てたりライティングをしながら、

入ってはいけない領域に陣取り、アングルを決めてシャッターを切る夢の撮影会は、

それが頭の中の想像である限り、いくらやっても誰も注意する人はいません。

ですから存分に楽しませていただいているのですが・・・・・

それでも何かをカメラに納めたいという欲求が満たされるわけではありません。

そこで、撮影してもよい場所(主に建物の外側やお庭)を撮影するという代償行動に及ぶわけですが、

これがなかなか楽しいもので、カメラという眼、撮影という行為のおかげで、色んな物を

いろんな角度や視点で見ようとする動機付けになっています。

また、時間が経ってからそれらの写真を眺めると、その時のことが思い出され、

間接的に、お堂の中の様子やお姿の記憶を甦らせる働きをしてくれます。



写真は、建てられてから800年経つ木造の
お堂の扉です。

現在46歳の私が、時間の経過を客観的に実感できるのは、せいぜい20年くらいというところ。

800年は20年の40倍!

それがどれくらいの時間なのかは想像ができません。

そんな、想像できないほどの時間の流れの中で、

想像できないほどたくさんの四季の移ろいを感じてきた扉は、

国宝という 冠 があろうとなかろうと、

お堂の中の尊像を、確かに守り抜いてきたという 誇り と 風格 に満ちていました。

                              2009年10月31日





       




          ♪Jimmy Cliff








#186  Gateway  〜 Shine a little love


この10月で新店舗の完成、そして新しい住処の完成から丸5年が経過しました。

振り返ると早いようでもあり、反面 「まだ5年しか経っていないのか・・」 と、

すっかり慣れて身体にフィットした建物への愛着に思いが至ります。

と同時に、取り壊された以前の建物が懐かしく思い出されます。


道路の拡幅工事が決まり、店舗と住宅の新築を迫られた8年前、

家族の思いは一点において共通のものでした。 それは、

「お蔵は大切に残す。」 という事。


設計の方に我々家族の思いを伝え、その結果、既存の建物の中でお蔵だけを残し、

その他の建物は解体し、新築するプランが組まれました。


解体の日、

今までお世話になった建物が重機でバリバリと壊されていく様を目の当たりにするのは辛い事でした。

   通りから玄関に入っていく時の光の変化、

   廊下を歩く時に耳にする自分の足音、

   部屋の窓から目にする空のカタチ、

   階段を上る時の手すりの手触り、

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

建物が醸し出す 「雰囲気」 や 「響き」  「感触」 が建物と一緒に消えていく寂しさを覚えました。


解体から約一年、完成した新しい店舗、そして住宅への引越しが行われました。

引越しが完了した時、私はふと不思議な感覚に囚われました。

それは、お蔵の中から戸を開けて隣の店舗に出ようとした瞬間の事でした。

子どもの頃から慣れ親しんだお蔵の戸に手をかけた時、その向こう側に

今は存在しない取り壊された畳敷きの部屋の存在を感じたのでした。

しかし、ガラガラと耳に馴染んだ音とともに開けられた戸の先には新しい店舗の空間が広がっていました。



        


今でもお蔵の中でその戸の前に立つと容易に以前の家の様子を頭の中で再現する事が出来ます。

新しい店舗や住宅に早く慣れる事が出来たのは 「お蔵」 が核として存在してくれているからと思います。


お蔵の南側に切られた窓の向こうは以前お風呂場でした。

現在は事務所。

蔵の中に在って、窓から差す事務所の灯りを眺めると・・・・・

今は亡き祖父がお風呂に入っている音が心に響いてきます。

                                   2009年10月22日


             



                   ELO







#185  歩く  〜 grass eater


      


仕事を終えての帰り道、京都に寄り道をしました。


ローカル線を乗り継ぎ、京田辺の里へ。

目指すは国宝 十一面観音様がおられる観音寺様。


電車を降りて、駅前を見渡してもタクシーの姿はなく、

「きっとこれは、観音様が歩く事を導かれておられるのだ」

そんな風に感じ、観光案内所でいただいた地図を頼りにしばし徒歩の民に。


木津川に架かる大きな橋、のどかに広がる田畑、ひっそりと咲いている草花。

誰に急かされる事もなく、守らなければならない約束もなく、

ゆっくり   一歩   また一歩

歩みをすすめる度に、色んな思いが湧きあがり、

その思いは、とどまる事をせず旅の空に蒸発してゆくのでした。



たどり着いた観音寺様に参拝者はひとり。

私だけ。

ご住職が御厨子の扉を左右に開いて下さり、いよいよ観音様とのご対面。



「どうでした? 車よりも良かったでしょ」

美しい観音様は、左右の口角を少しだけ上げて微笑まれました。

「お導きありがとうございます。」

私は静かに合掌。



そんな夢のような会話のあと、御住職としばしお話を・・


  御住職  「ほぉ〜 山形からですか、 それでここまでは何でいらしたんですか?」

    私   「駅から歩いて参りました。」

  御住職  「ほぉ〜 駅から歩いて・・・・・・  帰り、タクシー呼びましょうか?」


    私   「え〜 呼んでいただけるんですか?  では お願いします。」


 
      『おっと呼ぶんかい!』


閉ざされた御厨子の中から、くぐもった突っ込みのお声が聞こえたような気がしました。

                                        2009年10月8日



         





          ♪Jackson Browne & David Lindley








#184  つぼみ  〜 prayer


普段妻が運転している車で出掛けたところ、

カセットに録音された一青窈のハナミズキが流れました。

子どもたちが小学生だった頃、

学校の音楽会などで合唱していた耳に馴染みのある曲です。

「好きだ」 という人が多く、子どもたちも大好きで、

確かにいい歌だとは感じていましたが、格別好きというわけではありませんでした。

ただ、聞くたびに

「いったいこれは何を歌っている歌なのだろう?」

そんな疑問がついてまわる気になる曲ではありました。

その疑問はいつも そのまま にしてしまうのですが、

気になったので、運転しながらテープを巻き戻し3回ほど聴いてみました。


歌詞を追いかけると、単なるラブソングではないようです。

そして、漠然と 「死」 が根底にありそうな感じがします。

特に「水際」や「船」という言葉は 彼岸 もしくは 此岸 を連想させます。


でも「君」が誰で、「僕」は誰なのだろう?


「どんな風に受け取ってもらっても良いんですよ」

というのが作り手の気持ちでしょうし、市場に放たれた曲の解釈には

絶対の正解などないと分かっていても、疑問は深まります。



     亡き人からのメッセージ?

     「僕の我慢」?

     「母の日」?



家に戻ってからインターネットで 「ハナミズキ」 「歌詞」 で検索してみました。

すると、自分と同じように、この歌に疑問を感じている人がたくさんいる事を知りました。

そして、まったく予想もしなかった事が関連している事も。


     「911同時多発テロ」


更に 「ハナミズキ」 「911」 で検索すると、たくさんの方が自分なりの解釈を展開されており、

大変興味深く、又、感動してしまいました。




今日は9月20日彼岸の入り。

お墓参りの帰り、この歌を再び車で耳にして自分なりの解釈をしてみたいと思いました。



 ハナミズキ


 
空を押し上げて
 手を伸ばす君 五月のこと



5月の空を押し上げるようにミズキの枝に手を伸ばす君、

僕は空の上からそんな君の事を見ている



 
どうか来てほしい
 水際まで来てほしい
 つぼみをあげよう
 庭のハナミズキ



もう少し僕のいるところに近づいてくれれば、

つぼみ(僕の想い)を君に渡してあげられるのに



 
薄紅色の可愛い君のね
 果てない夢がちゃんと
 終わりますように
 君と好きな人が
 百年続きますように



淡い色をしたミズキのつぼみのような君の夢が

ちゃんと花を咲かせ、全うされますように

君と、君が今から好きになる人がずっと一緒にいられますように

つぼみのまま落ちてしまった僕の様にはけっしてなりませんように



 
夏は暑過ぎて


〜これは盂蘭盆を表わしてるのでしょうか?〜



 
僕から気持ちは重すぎて
 一緒にわたるには
 きっと船が沈んじゃう
 どうぞゆきなさい
 お先にゆきなさい



早く君が僕の事から解放されますように

そうしないと僕も安心して行くことが出来ないから・・

だから気にせずに君は先に進んで下さい



 
僕の我慢がいつか実を結び
 果てない波がちゃんと
 止まりますように
 君とすきな人が
 百年続きますように



僕のやせ我慢がいつか実を結んで、

君の心にたつ波がおさまりますように

君と、君が今から好きになる人がずっと一緒にいられますように



 
ひらり蝶々を
 追いかけて白い帆を揚げて



やがて君たちにも新しい命が芽生えることでしょう



 
母の日になれば
 ミズキの葉、贈って下さい



その新しい命に伝えたい

母の日には君のお母さんにミズキの葉っぱを贈ってあげてください

それは僕からのメッセージ



 
待たなくてもいいよ
 知らなくてもいいよ



でも、僕のことを気にしないで、知らなくていいんだ



 
薄紅色の可愛い君のね
 果てない夢がちゃんと
 終わりますように
 君と好きな人が
 百年続きますように



お父さんとお母さんから生まれた君の夢が花を咲かせ、ちゃんと全うされますように

君が好きになる人とずっと一緒にいられますように



 
僕の我慢がいつか実を結び
 果てない波がちゃんと
 止まりますように
 君と好きな人が
 百年続きますように



僕のやせ我慢が実を結んで

君たち家族の夢がちゃんと花を咲かせ、全うされますように

君たち家族から生まれる子孫の夢が、つぼみのまま終わる事無く

ちゃんと花を咲かせ全うされますように

                                2009年9月20日



        



            ♪ハナミズキ







#183  抱きしめたい  〜 heart beat


全く抜けのよくない曇り空の下、次男(中1)の運動会がありました。

インフルエンザの影響で延期になっての事。


朝方の雨でスケジュールがおしてしまい、

最後のフォークダンスは一曲分で終わり。


「時間の関係でフォークダンスはこれで終了です。」 とのアナウンスに

「ヤッター!」 の大きな歓声が上がる!


んーわかるなぁ〜  その矛盾した感じ。

「あと少しであのコだったのにッ!」

そんな風に心の中で残念がってたコもたくさんいたはず!


鉛色の空の下、青さがまぶしく輝いていました。

                          2009年9月12日



         



              ♪The Beatles





#182  ニャンコロジー  〜 When he creates his Masterpiece


      〜Nyanceptual art〜



       





      かみちぎる事に意味などなく





         





        そこに残った物にも意味はない





       






        ただちょっと牙がむず痒いのと・・・




        ただちょっと楽しいのと・・・




        ただそれだけの事





        欲しいのはかつおぶし




        かつおぶしだよ人生は


                      by zingbay


                          2009年9月3日





           
              Any day now........




               ♪Bob Dylan & Norah Jones

               ♪Say see row






#181  Q  〜 A


  【質問】

  「大人」になるということは、

  どういうことなんでしょう。

  谷川さんの「おとな」を教えてください。



「自分だったらどう答えるだろう?」

小学校の時教科書で出逢った詩人の答えに 「!」 。

                            2009年8月31日




         






                ♪俺たちの朝






#180  日々コレツアー  〜 HTB


  【ツアー名】 おっさん一人で行く夏のやまがた

  【参加資格】 おっさんである事

  【定員】 1名

  【参加費用】 2500円(食事 飲み物 入館料 ガソリン代 運転手さんへの心付込)

  【コース】

  午前11時自宅を自家用車を自ら運転して出発 ⇒ 天童市「やま竹」にて昼食

  ⇒ 村山市「真下慶治記念美術館」を拝観 ⇒ ラウンジにて休憩

  ⇒ 最上川 大淀ポイントにて記念撮影 ⇒ 自家用車を自ら運転して帰宅

  ⇒ 解散 おつかれさまでした!



そんなわけで参加して参りました!(自作自演とも言いますが・・)



先ずは天童のおそば屋さんやま竹

香り高い細打ちのおそばが楽しめます。

今日はフンパツして天せいろと菊のおひたしをいただきました。


混んでいたからでしょうか、ラッキーにも個室に案内していただき、

一人クーラーの効いた静かな部屋でゆっくりと頂戴しました。



       



大満足のうちにやま竹さんをあとにして、

本日のメイン、村山市真下慶治記念美術館へ。


自ら運転する車中、トランスミッターでFMに飛ばされたウオークマンが

シャッフルで夏の青空に合ったいい選曲をしてくれます。


America


最上川を左に見ながら間もなく到着。

初めての事。

意外な場所に、意外な佇まい。

期待が膨らみました。



         




なぜ今まで知らなかったのだろう。

こんな素晴らしい場所を!



              



先ずはロケーション。

かつて尋常小学校が建っていたという最上川の大淀が眼下に広がる高台。

そしてそのロケーションを最大限にいかした建物。

東京国立博物館法隆寺宝物館を手がけられた先生によるものとの説明に納得。


本日のラウンジからの眺めは夏らしい空が幸いでしたが、秋や冬もいいでしょう!

もちろん春も!

リピーターが多いとのお話に又納得。



     




企画展として開催されているイラストレーターの多田和絵さんと

ジュエリークリエーターの川勝節子さんの作品をゆっくりと鑑賞。

お二人の仲の良さが伝わってくる気持ちの良い展示でした。



       



ラウンジで最上川を眺めながらアイスコーヒーを。

拝観者は数名。

静かな時間を楽しむことができました。



     



コーヒーを淹れてくださった女性が色々とお話を聞かせてくださいました。

「私は開館以来、日曜だけ勤めて5年になりますが、

一度だけ夕陽で水面がピンク色になったのを見たことがあるんですよ。

それを後日、新聞社の方にお話したら、〜そういう時はすぐ連絡くれなきゃー〜って

とても残念そうにしておられました。」



     



今年10月半ばからは開館5周年として「母なる最上川展」と題された

小松均と真下慶治の企画展が催されるとの事。

是非又おじゃましたいと思います。



     



再訪を願い美術館をあとに。

坂を下り、最上川の大淀ポイントへ。

この場所も初めて訪れる場所。



      




流れていないように見えて、底の方は相当早い流れとの事。

深さは未だ不明だそうです。

知らない事が多すぎる・・・・・・

母なる川とか言ってるのに・・・・・・。



      




全日程を終え、自ら運転して帰路に。

稲穂は会釈程度にこうべを垂れ、少しばかり秋の気配が・・・・

と、思いきやフロントガラスに広がるもこもこの入道雲。



          



末っ子が中学に入り、スポ少の応援などがなくなり、

最近は何もない日曜もしばしば。

以前はこんな発想は浮かびませんでした。


今度は羽黒山へ!

                       2009年8月23日



   



     ♪BEGIN







#179  いつも何度でも  〜 mission



流暢な日本語で語られたふるさとへの思い。


そして歌われた「いつも何度でも。」


山辺町にある安国寺さんで開かれたナターシャ・グジーさんのコンサート。


かがり火と万灯に照らされた境内で、ひんやりとした夜気を感じながらの野外ライブでした。




   生きている不思議 死んで行く不思議

   花も風も街も みんな同じ





言葉の一つ一つが夏の闇に染み入り、その闇に心がしめつけられました。
                            

                               2009年8月22日





           






         いつも何度でも






#178  旅の記憶  〜 WALKMAN


舗装されていないでこぼこ道を、うなりをあげて進むオンボロ路線バス。

全開の窓からは、熱気をはらんだ黄色い土煙とガソリンの匂いが盛大に入り込み、

そのせいか満員の乗客は皆無口でした。

窓の外には夕陽でオレンジ色に染められた乾いた大地が広がり、

一人旅も後半に差し掛かった身には、心細さと郷愁をかきたてるに十分なお膳立てでした。

「あとどれくらいこのバスの中でバウンドに抗いながら立っていなければならないのだろう・・・」

暑さと乾きに朦朧としながら

「自分はいったい何をしているんだろう?」

そんな疑問さえ浮かんでくる始末。

むやみやたらと鳴らされるクラクションに閉口し、音楽でも聴こうと

ウオークマンのプレーボタンをカシャリ。


    One,  two,  one, two, three, four♪


たまたま聞こえてきたのがビリー・ジョエルの マター・オブ・トラスト。


この瞬間の事は今でも映画のワンシーンのように鮮明に覚えています。

まるでアンパンマンが新しい顔をもらったかのごとく力がわいてきたのでした。


西安から飛行場へ向かうバス。

初めて中国を旅した22年前の事でした。

その頃のウオークマンはカセットテープを再生するもの。

月日は流れ、中国は劇的な発展を遂げ、

マター・オブ・トラストは私の新しいウオークマンのフラッシュメモリに記憶されています。

                                    2009年8月16日



      



  
       ♪A Matter of Trust






#177    〜  OPEN SESAME


  真剣な少年のような 「顔」 と、「ポーズ」 ばかりに気を取られ、

  大切な飾りを見逃している大人を追い越して、いざ旅立とう。

  教えられた見方だけじゃなく、自分の目で観察し始めるとき、美の扉が開きます。

  アシュラのジュエリーへの旅へ。

  「輝きをデザインした人間の力」の時空へ出発しましょう!



子供向けに書かれた本の序文に46歳のおじさんの心が躍りました。


興福寺阿修羅像の装飾品について書かれた 「阿修羅のジュエリー」



追い越すべき大人は私の中にあります。

                         2009年8月10日





       
         唐代(8世紀) 十一面観音像 
            東京国立博物館





         ♪アウトバーンで風をあつめて

         ♪矢野顕子

         ♪Kraftwerk

         ♪UA x 細野晴臣





#176  ニャンコロジー  〜  mama don't take my PENTAX away




               〜 じんべえもふもふ写真展 2009 夏 〜

                

                    
                ♪aiko












               


                ♪忌野清志郎











           


                ♪
荒井由実











           


                ♪
山本高広











           


                ♪
The Puppini Sisters











                 


                         ♪笠置シヅ子













                             組写真 「元♂の証明」

               




     
               


              ♪
ジョー山中












                 


                         ♪
Happy Christmas/War Is Over












           


                ♪ニャース


                                2009年8月6日 





                          
                                 タイトル 「遊び疲れて」






#175  旅人  〜   Bon Voyage


以前、ある席で和菓子屋のご主人とお話させていただく機会がありました。

そのお店のどらやきは大変に人気があって、午前中で売り切れてしまう事もしばしば。

お客様へ発送していただく事もあるのですが、大変好評をいただいております。

ご主人との会話の中でその旨をお伝えすると、

「うれしいなー 自分が作った菓子は自分の分身みたいに感じていて、

その分身にはどんどん旅をして欲しいと思っているんですよ。」

と、大変喜んでいただきました。

〜自分の分身が旅をする〜

とても夢のある考え方だと思いました。


さて、先日は中部地方に納入におじゃまさせていただきました。

今回お納めさせていただいたお姿は、開眼式を控えておられ急を要したため、

通常の船便ではなく、空輸によって中国から到着しました。

浙江省の工房から上海まで陸送、

上海から関西空港まで空輸、

通関を経て山形まで陸送、

梱包がほどかれ、更に山形から山梨の地へ。

高さ2メートル以上のお姿が二体という事で

「空輸はどうか?」と、心配したのですが、

破損することもなく無事お納めさせていただく事が出来、

晴れ晴れした気分で帰路につきました。



      



高速道路を運転しながら

「まだ時間があるからご褒美を・・・」

そんな考えが頭に浮かび、

かねてから気になっていた国立新美術館へ寄り道することに決めました。



      



何の予備知識も無くガラスに囲まれた館内に入り、インフォメーションで

「常設展はどちらですか?」

と訊ねると

「常設展は無いんです。」

との事。

がっかりしてあたりを見回すと、毎日書道展の看板が。

せっかく来たのだから、建物だけ鑑賞して帰るのももったいないと思い入る事にしました。


「これが書?」と思えるような自由な作品を鑑賞していると

「そういえば楽書の岡部先生も出展されていたのでは・・」と思い、

目録で検索すると、案の定3階に展示されている事が判明しました。

早速行ってみると、ありました!



    



春を連想させる淡い色調の和紙にかな文字が綴られた優麗な作品でした。

残念ながら私には読むことが出来なかったのですが、

旅先で同郷の友人とばったり出くわしたような、

そんな楽しい気分にさせられました。


電話で岡部先生に、先生の作品を国立新美術館で拝見した事をお伝えすると、

「えーそーなんですかー 知りませんでしたー」

との事。

私は「知らない」という事にとても興味を覚えました。


ひとたび自分の手をはなれた作品が、

自分の知らない時に、知らない場所で、知らない人の目を楽しませる。

前述の「お菓子の旅」の事を思い出し、

陽子先生の作品も旅をしているのだと感じました。


更に午前中に安置させていただいたお姿に思いが・・・・・

空を飛んで日本に来られたお姿も旅人なのではないかと・・・・

伝えられて今に残る技術や精神もまた、行きかう年とともに

航海をする旅人なのではないかと・・・・・


そしてわたしも・・・・

                                  2009年8月3日



     

    納めさせていただいた御寺院様の見事な蓮花。
    命を繋ぎ今開こうとするはちすもまた旅人。




   ♪夢の旅人

   ♪花咲く旅路





#174  お気に召すまま  〜   Sir, Yes Sir


「はい それじゃぁスリッパ脱いで台に立ってくださいねー

はい、いいですよー 

そしたらこのコップを左手に、このお薬を右手に持ってくださいねー

後で飲んでもらいますからねー

はいじゃぁ始めますよー

お薬を口に含んでコップの液といっしょにイッキに全部飲んでくださーい

はーい いいですよー 

それではゆっくり台を寝かせていきまーす。

はい じゃぁ右肩からぐるっと一回転してくださーい

はい もう一回

今度は逆回転で左肩から回転しまーす。

はい じゃあもう一回 

今度は右からうつ伏せになってくださーい

はい じゃぁ右の腰を浮かせてー

はい今度は反対左の腰

いいですよー はい左から仰向けになってくださーい

はい そしたらここでシェーしてみましょう」


「・・・・・・・・・!?」


「シェーですよー わかりませんかー?」


「・・・・・んー  シェー  こうですか?」


「んーなんかイマイチだなぁー まいいや じゃ今度はリバースでお願いします。」


「リ リバース? ・・・・えーと  シェー」


「はい さっきよりイイですよー!  

次は左肩を下にして横向きになってくださーい

はい そーです。 じゃぁ右手を胸のあたりにもってきて一言どうぞ」


「ん? 一言!?」


「あれー おかしいなー  昭和38年生まれですよねー 

見てなかったかなーあの番組・・」


「あの番組? えっ もしかして・・・・いつも・・・」


「そうそう それですよー  はい どうぞ!」


「いっ いつも  ゲフッ すまないねぇ〜」


「はい! 合格です だんだん掴めてきましたかー?

でもゲップは我慢してくださいねー

はい じゃ今度はお腹を機械で押していきますよー

はい 右手を前にのばしてー お腹を押されたらすかさず一言!」


「ガ・・・・・・・・・・グェチョーン」


「あー 惜しいなー 実に惜しい ダメですよーゲップ出しちゃ がまんしてくださいねー 

はい もう一度」


「ガチョーン!」


「んー なんか腕の引きにキレが感じられないんだなー  でも まぁいいでしょ

じゃ起しますよー   はい じゃぁねこのお薬を出来るだけたくさんのお水で飲んで下さいね

はい いいですよー お疲れ様でしたー」


気分はまな板の鯉。

あの台に乗ったらどんな命令でも素直に従ってしまうかも。

だったらこれくらいの洒落っ気があってもいいのではないかと・・・・  

健康診断・・・・・

                       2009年7月25日



          




            Journey






#173  あこがれ  〜   comfort


日々の暮らしから離れ、一人静かな森の中へ。

澄んだ空気を木漏れ日やせせらぎの音といっしょに吸いこみ、

日常を溶かして吐き出す。


私が自然の中に身を置きたくなるのは、

私という自然が本来の在りかを懐かしんでいるからなのでしょうか。


「自然」という言葉を和英辞典で調べると、興味深い単語を見つけました。

  〜artless〜

アート が レス・・・・

それでは アート とは?

芸術  美術  技術  人工  人為 ・・・・・・と続きます。

アートレスが示す自然とは、

人の手や考えが加わってない事、というような意味でしょうか。

「人工の・・・」を表わす artificial 〜アーティフィシャル もアートの付く言葉と気付き

artに対しての考えが拡がりました。

自然の景観を 「自然の芸術」 などと表現することがありますが、

上記の単語を使えば アートレスアート となるのでしょうか?

(自然を自然の芸術と捉える視線はart(人為)に他なりませんが、)



自然は時として恐ろしい顔を見せますが、それだけにおだやかな顔に対する憧れは

私自身の「安心でありたい」という本能に根ざしたものなのかもしれません。

そんなおだやかな自然を人工的に生活の中に取り入れ、

そうする事で、artlessである自分(自然)を確認しようとする事がart の一側面なのであれば、

私が夕方プランターの花に水をあげたのもアートなのかもしれません。

にしてはぞんざいでしたが・・・・・

                             2009年7月17日



        

          花と書 Beside You にて

          花 高橋暁子さん   書 岡部陽子さん

          ギャラリー絵遊  2009年7月17日(金)〜7月20日



          花と書が溶け合い、引き立てあっている
          魅力的で気持ちの良いartisticな空間でした。 

          高橋先生 岡部先生ありがとうございました。




          
上々颱風

            ♪
Art is the window of an artist's heart
.

            ♪Chet Atkins & Don McLean




#172  ビー・マイ・ベイビー  〜   almost!


以前、関東におじゃました時の事。

田畑が広がる千葉の国道を車で走っていると、

前方をものすごいスピードで横切っていく動物が!


でっかい猫??


と思ったら猿でした。

100メートルほど進むと今度は民家の前に

ソフトバンクのお父さんのような白い犬がつながれていました。


ってことは…


と思い100メートル先の草村にキジの姿をさがしましたがいませんでした。

いたらおもしろかったのに。

                 2009年7月14日



      

             「呼んでません。」



          ♪ポンキッキーズ

          ♪John





#171  Let it go  〜   Let it flow


「エー そんな事も知らないのー」

そんな他者からの一言によって、世界中でどれだけの興味の蕾が開くことなく終わったのでしょう?


誰かの言葉で落ちてしまう蕾なら、所詮そのくらいの興味でしかないのかもしれません。

でもその蕾は、ひっそりとほころび、実をなし、

次の興味へと繁殖する可能性を秘めていたかもしれません。


何か興味のある事に足を踏み入れたい欲求にかられた時、

または、ちょっとした疑問が生じた時、

「そんな事も知らないのー」 は、時として

『一見さんお断り』の料亭の玄関のように、高い敷居となって好奇心の前に立ちはだかります。

それは他者からの実際の言葉であったり、

過去に学習してしまった負の記憶が言わせた、自分の心の声であるかもしれません。


そんな時、

「はい 知らないんです。」

その一言が自分自身に言えれば・・・・・・・・


「そんな事も知らないのー」は、

笹舟にのっかって、小川をすーっと流れていき、すぐに見えなくなります。

「バイバーイ!」


あら、上流から何かおもしろそうなモノが流れてきました。

つかまえる事ができるでしょうか?

                        2009年7月8日




         



  
        ♪Dave Mason







#170  考えない  〜   feeeeeeeeeeel!


出張で訪れた上海の街をぼんやり歩いていたところ、

通りかかった店からおばさんが出てきて、飲みさしのお茶か何かを歩道にぶちまけました。

「こんな事はよくある事」 と思いつつ振り返って見ると、

歩道に龍が現れていました。


       



ふと向かい側を見ると、

ファストフードのお店の看板にどう見ても あの方 にしか見えないお姿が・・・・。


       



「コレは何かのメッセージ?」

と、感じた私は心の中にある燃えよドラゴンテーマ曲スイッチをオン!

お昼に何を食べるか迷っていた私は、老師の声に耳を傾けました。


       
 Don't think  feel


私は直感で隣のアメリカのハンバーガー屋に入りました。

そして、

「うわちょーーーーーー」

と、あくまでも心の中で叫びつつ、カウンターのメニューのAセットを指差しました。



Aセットがのったトレーを受け取り、軽い足取りで2階席に上がると

広いフロアーにたった一人の男性(客)が・・・


「コッ コレハ・・・・・・

            まさか3階にはバスケの選手が?」


と、想像力をたくましくしてみましたが、

無益な戦いは双方に傷を残すだけと思い、おとなしくビッグマックにかぶりつきました。

普通の味でした。

                            2009年7月5日



        



            ♪Enter The Dragon





#169  スプラッシュ  〜   go for it!


水溜りを長靴でビシャビシャと歩いていく感覚を久しく味わっていません。

思いっきりジャンプして盛大に水しぶきを上げる遊びは遠い記憶の彼方です。

開いた傘をバットのようにスイングしてワイングラス状にしたところに雨水を溜める行為は、

極めて無益な上に、傘の骨が折れてしまうという代償を伴うため小学校低学年以来控えています。

折りたたみ傘をきれいにたたむ競争も、モチベーションが見つからない今、どーでも良いことです。


さて、丁度1年ほど前のこと。

私は東京に車で出かけておりました。

サイゼリアで昼食をとり終え、駐車場から出ようと車を出口に移動すると、

ランドセルを背負った4、5人の下校の小学生(低学年)が、

私が向かおうとしている出口に差し掛かり、

何かを見つけたような感じではしゃいでおりました。

「オイオイおじさん出れないじゃない」

と、心の中で彼らにつぶやきながらも何をするのか観察していました。

すると、その内の一人の男の子が地中に収納してある

金属製の車止めのポールをグイと引き上げました。

引き上げたかと思うとパッと放し、と同時にその場から飛びのきました。

ポールが落ちると穴の中に溜まっていた雨水がプシュッと噴出し、

彼らはキャッキャと喜びました。

そして違う子が隣のポール、女の子もその隣のポールと、

5本ある全てのポールを引き上げては手を放し、プシュッとプチ噴水を作っては、

己の作った噴水に濡れないようタイミングよく飛びのいていました。

私の車が出口に差し掛かるとちゃんと両側によけてくれました。


私は最初クラクションでも鳴らしてやろうかと思ったのですが

なんだか自分が小さいときの事を思い出し、

都会の子供たちの寄り道としては☆三つなのではないかと考えをあらためました。


店の迷惑とか 危ないとか いろいろあるんでしょう・・・

でもなんとなく許してあげたい気持ちになったのでした。


「楽しいことに理由なんてない!」

彼らの目は梅雨の晴れ間の太陽のように輝いていました。

                            2009年7月1日



     



         ♪Israel Kamakawiwo


         ♪Keith Jarrett






#168  クール・ファイヴ  〜   survivor


山形市にあるグラフィック・デザインのオフィス コロンさん で開かれている

DESIGN RECYCLEにおじゃましてきました。

コロンさんに見出された魅力的な古い食器や、懐かしい生活用品が目を楽しませてくれました。


リサイクル という言葉は 資源 に直結した言葉のように感じていましたが、

物質だけではなく 「感じ方」 や 「考え方」 にも拡げられる言葉だという事に気付かせてもらいました。

また、大変にリーズナブルである事も驚きでした。

高さ10cmほどのコップを求めましたが1客200円 5客で1,000円。





      





良い買い物でした。

今年の夏のリフレッシュメントを担ってもらおうと思います。

                        2009年6月27日






            



デザインリサイクル

既に生み出されている商品の中には、普遍的なデザイン性をもち、

しっかりと売り続けられ使い続けることができるロングライフ商品があります。

そんな商品をセレクトして販売いたします。

私たちの「デザインリサイクル」の提案をご覧ください。

                              COLON HPより




                ♪
The Puppini Sisters


                ♪Gloria Gaynor






#167  ありがとう  〜   Thank you


日曜の夕方、私は家族の夕飯を作っていました。

とはいっても簡単なヤキソバ。

妻は中1の次男のバスケの中体連反省会に出席中。


私がキャベツなんかをシャクシャク切ってるキッチンに

高2の長男がやってきて冷蔵庫を開ける。

麦茶でも飲むのかと思っていると・・・

ボソッと 


「あの・・・  これ・・・  父の日」


フリーザーから取り出したのはハーゲンダッツのアイス。

「ちょっと出かけてくる」 といってコンビニから買ってきたらしい。

私の好きなバニラ。

私もボソッと 


「おう ありがとう サンキュー」


今まで幼稚園や学校の先生の差し金によるプレゼントは何度も貰いました。 

が、こんなのは初めて!

正直とっても嬉しかったです。

オヤジにプレゼントするなんて照れくさかろうに・・・

それとも何か裏が・・・

いやいやここは素直になる事にしましょう。



それから3日が過ぎた現在、

もったいなくてまだ食べていません。


「早く食べるか、名前を大きく書いておかないと食べられちゃうわよ」


と、妻。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

                  2009年6月24日




             





           Love the One You're With








#166  雨  〜   Longing



     



出張の合間に、東京世田谷の五島美術館


何かを期待してというわけではなく、

車のナビで検索したところ、現在地から一番近くに位置した美術館で、

空き時間を埋めるには丁度よいと思っての事でした。


企画展にはさほど興味をそそられませんでした。

時間があったのでお庭に出てみることに。


外は傘を差すほどではない小雨。



             



お庭の大きさを知らない私は、

濡れた石の上を好奇心に任せ奥へ奥へと進んでいきました。

雨に洗われた緑は深みを増し、目に優しく、

空気は、

ここが東京?

と思うほど澄み切っていました。

それはもしかすると日曜日であったからなのかもしれません。



         



起伏に富んだ庭のそこかしこには、石のほとけさまや灯篭が緑の中にひっそりと溶け込んでいました。

私はそんな異空間に一人、なにか気が遠くなるような感じを覚えました。



         




歩みを進め、草花や水鳥などを見ながら、ちょっとした迷い子気分を楽しみつつ、

ふと時計を見ると、

12時15分

「あの番組が・・・  あっ! そーいえば車に・・・」

入り口に戻り、係りの方に断って非常用に載せてあるトランジスタラジオを取りに車へ。


イヤフォンでNHK−FMのトーキング ウィズ 松尾堂を聞きながら再びお庭散策。

ゲストは柳家花緑さん。



            




落ち着いたプロの口から語られる、小さん師匠の思い出話などに

しばし時の経つのを忘れていました。


お庭、雨、そしてお話


何とも贅沢な時間でした。


その場の音を一緒に楽しむのは当然王道の楽しみ方ですが、

その場の音を遮断し、音楽や語りと共に楽しむという楽しみ方があっても良いのではと感じました。

(イヤフォンから音がもれない控えめな音量で、他の人のお楽しみをじゃましない配慮は当然必要ですが・・)


まだ持っていない iPod が欲しくなりました。

                       2009年6月6日




          



  George Winston






#165  いつか だれかが  〜   Staying Alive



       

              阿弥陀堂の階段
              奈良 円成寺にて






          

                本堂基壇
              奈良秋篠寺にて






       

           阿弥陀堂の扉  円成寺にて






   

            柱の礎石 秋篠寺にて






つくられてから何百年の時を経て

今 目の前にあるのは その物に流れている時間の 最先端

ほんの数分だけど 

そばに寄り添い 

今の先端から未来へとのびていく時間を一緒に過ごさせていただく


その物をつくろうとした意思

考えた時間

材料を集めた足

材料の周りを何度も往復した手

叩き 削り 切る・・・・・音

その物を見つめた瞳


今 目の前にある物は 自然にそこにあるのではなく

いつか だれかが したこと

だれかが 思ったことが かたち になったもの

たとえそれが加工していない自然の石ころであったとしても

それを見出した目があり

つかんだ手があり

運んだ足があり

据え置いた意思がある。

                   2009年5月27日




        

            寺号額 円成寺にて



The Beatles





#164  三歳児  〜  stimulator


「裕行は小さい頃 ひろゆき って呼ぶと、『ひろゆき じゃない ひろちゃんだ!』 って言ってた。」

今は亡き叔母がよくそんな風に想い出を語ってくれたものでした。


私が自分の事を『ひろちゃん』と呼んでいたのは小学校に上がる前までだったと思います。

親に直されたのだと思いますが、それ以降どんな風に自分を呼んだらいいのか戸惑ったのを憶えています。

成長した さっちゃん は自分の事なんて言ってたのでしょうか?


幼稚園に入る前の三歳の頃の記憶というと明確にはありませんが、

5つ上の姉が小学校から帰ってくるのを門の前で待っていたような・・・

そんな極めておぼろげなシーンが頭に浮かびます。


さて、最近ちょっと気になる存在が。

永遠の三歳児。

セサミ・ストリートの人気者。

エルモ


明るくて、好奇心旺盛で、元気で、ハッピー。

私の三歳の頃はもっとひねた子だったのではと思うのですが、

エルモが自分の事を 「エルモはね・・・」 と言うのを耳にすると

自分が小さかった頃の事を思い出します。


エルモの口癖は

Why?


年を重ねる毎に磨耗しがちな私の中の Why? を小さな赤い怪物君が刺激してくれます。

                                2009年5月20日




         



おやすみエルモ
アンドレア・ボチェッリの子守唄を聞き一日を思い出しながら眠りに就こうとするエルモ。
普段何も着ていないエルモがパジャマを着てるのがイイです。
こらえきれない様子からついに目を閉じる様がみどころ。
最後は盛り上がって結局眠れず。


トークショーのゲスト
冒頭いきなり
「エルモは君に怒ってる 怒ってる 怒ってる 怒ってる
どうしてかっていうとね、さっき君はみんなの前でそれもテレビで汚い言葉を使ったね、
それがどんな言葉か言わないよ、だってエルモはセサミストリートから来たかわいい小さなモンスターだもん」
そこからのかわいさアピールが・・・・・・・・・


Dancin'
アリシア・キーズとデュエット


In Your Imagination
想像力の唄


ABC
パティ・ラベルとアルファベットを。
最初のルーズなノリと後半の盛り上がりが対照的でおもしろいです。





#163  雨上がりの夜空に  〜  Yeah!


どうしたんだ ヘヘイベイビー きげん直してくれよ

いつものようにキメて ブッ飛ばそうぜ



                あなたにありがとう  感謝です。

                                             2009年5月3日



       





   ♪君が僕を知ってる     ♪スローバラード     ♪ひとつだけ     


   ♪雪どけ
    夜空の誓い    トランジスタ・ラジオ





#162  たびにゃんこ  〜  Hola!


旅先で出逢った愛すべきにゃんこたち



You Can't Hurry Love

  
「あせらない・・・・・」






Gimme Some Lovin

  
「・・・・・どうかひとつ」  熊本にて






Uptown girl

  「パンがないのなら鰹節でも召し上がればよろしいんじゃございません?」 清水にて






Downtown

  「ついてきな いいとこ案内してやるぜ」 上野にて






Norah Jones

  「気ままなノラ暮らしもイイもんですよ。」 浅草にて




                             
 ♪いつか街で会ったなら


                          2009年4月28日





           

           サイモン&ガーファンクル






#161  春なのに・・・  〜  bloom


柳の枝に猫がいる だから猫柳


都の西北早稲田の隣、バカ田大学出身であられるバカボンパパの名言です。

小学校の時初めてこの言葉に接し、深い感銘を受けました。


さて、我が家の庭も春真っ盛り。

様々な植物が芽吹き、花を咲かせ、お日様の光に命を輝かせています。

その中で小さな白い花をつけた木が気になりました。

祖母に名前を訊ねると

「ねーめんこい花だねー 雪柳っていうの。」

との事。

私は 「!」

そして、造園屋さんの粋に感心。

その雪柳は雪見灯篭のそばに植えられているのでした。


薄汚れた根雪が解け、春の訪れと共に灯篭に積もる純白の雪の花。

自分の家なのに知らない事、気付いていない事がたくさんある事に気付かされました。

                              2009年4月25日



               




  
Orleans





#160  すがた  〜 still






        







   




        












      












        












      








   国立博物館法隆寺宝物館にて  響銅製鋳造の器 飛鳥〜奈良時代7〜8世紀 


                                              
2009年4月20日



     ♪Crystal Silence





#159  タイムマシンにお願い  〜 just my imagination


光明皇后様 誠に有り難うございました。

それでは次に乾杯にうつらせていただきたいと存じます。

乾杯の御発声は、このたびの阿修羅展の主役であられます阿修羅様にお願いしたく存じます。

それでは阿修羅様よろしくお願い致します。

はいっ?  ・・・あっ いえいえ アルコールではございません。 甘露でございます。」


ひょんな事から順路を外れ、

行き着いた先の扉を開けるとそこは大勢の人で埋め尽くされた広いホール。

何かの祝宴が催されているようでした。

私は目立たぬよう戸口に身を潜め、参列者の顔を見渡しました。

そして、しばし呆然・・・・・・・・

とんでもないところへ紛れ込んでしまった・・・・。

阿修羅をはじめとする八部衆や十大弟子、そしてそれらのお姿を発願した光明皇后、

造像を担当した仏師などの関係者が阿修羅展の開催を記念して招待されている祝賀会なのでした。



・・・なーんていう事があったらナー

と、東京国立博物館で開催されている阿修羅展を見ながら夢想していました。


うかがいたいことは山ほどあります。

阿修羅さんには

「腕疲れませんか?」

とか

「寝る時どうしてるんですか?」

とか

「食事は皆さん一緒になさるんですか?」

とか

「一緒にしゃべると混乱しないですか?」

・・・・・・etc.


仏師さんには

「モデルはいたんですか?」

「阿修羅の腕を見るとトンボを思い出すんですが、ヒントにはなってませんか?」

「今回の展覧会はスゴイ人出ですが、ご自分の作品が1300年を経て

こんなにも愛されている事をどう思われますか?」

・・・・・・・・・・・・・などなど。


今晩そんな夢を見れたらいいのに。

                           2009年4月17日





            
         こんなセキュリティーに止められてみたい! 
               東京国立博物館蔵「三彩武人像」





                  The Temptations

                  
サディスティック・ミカバンド

                  
シリア・ポール





#158  邂逅  〜 My Back Pages


今日は花祭りの日。

庭の梅も満開で、春らしいポカポカ陽気の気持ちの良い日でした。



     



午後からは長女の高校と次男の中学の入学式があり、

母は中学、父は高校へと赴きました。


娘が通うことになったのは私の母校。

天気も好かったので、かつて私が通った同じ道を二人して自転車でたどりました。

到着し校舎に入ると、デジャブのような不思議な感じを覚えました。

確かに3年間通学していたわけですから現実ではあるのですが・・・・・。


式の最中

「そういえばこの体育館で部活してたんだよなー」

などと、しばし青春プレイバック。

そして式が終わり、教室に向かう途中 

「この通路を学食を目指し先を争って走ったっけ」 

そんな瑣末な事が次々に思い出されました。

でも授業の事は思い出しませんでした。


クラスでのお話のあと保護者会があり、娘は一人で帰ったので、

私は一人、下校時によく通った道を帰ってみることにしました。

まずは部活の帰りによく立ち寄った学校近くのお店で缶ジュースを買いました。

懐かしいおばちゃんの顔を27年ぶりに拝し、嬉しい限りでした。

なんだかドキュメンタリーの主人公になったような気分になりながら

今ではすっかり変わってしまった駅裏から、地下道をくぐり駅前へ。

私が高校生の頃は自転車を持って階段を上り下りしなければならなかった地下道も

スロープが設けられ、大変快適になっていました。

その地下道がなんとなくタイムトンネルのように感じられ、

「もしかすると・・・・」

そんな思いでスロープを上り切ると、

駅前にあった百貨店の姿はなく、

振り返れば、今では見慣れてしまった新しい駅舎がやっぱりそこにありました。


夕方の駅前を自転車で走っていると、

普段は滅多に身につけることのないネクタイの窮屈さが学生服の詰め襟の感覚を思い出させました。

なんちゃって高校生気分のおじさんは、このまま不良に変身してそこらで一杯・・・

と、一瞬思いましたが、正気に戻り、前から気になっていたお香のお店に立ち寄りました。

目にとまったのが猫の香炉。

「めぐり合い」

そんな言葉が頭に浮かび佳き日の記念に求めました。


娘にそんな気持ちはないでしょう。

でも、

「父はあなたから良い一日をプレゼントしてもらいました。」

                           2009年4月8日



             





              
Wonderful World





#157  心地よさ  〜 groove


ザ・ローリング・ストーンズの魅力の一つに

ギターのキース・リチャーズとドラムスのチャリー・ワッツが作り出す独特な間が挙げられます。

この「間」はフュージョンなどリズムが極めて規則的に刻まれる音楽と比べれば 

「モタっている」 ようにも聞こえます。

その、「モタってる感」に身体が馴染むと大変いい感じのうねりが生まれ

気持ち良く聞こえるのですが、馴染めないと 

「ピシッときまらない音楽」 

として聞こえるのかもしれません。(かつての私がそうでした。 #089 石の壺)



昨日、かねてから「ぜひ」と思っていた柏倉九左ェ門家におじゃましました。

うちから車で30分もあれば行けるところなのですが、初めての事でした。



    



お雛様の一般公開が終わったばかりというのと、夕方近くというのが重なってか、

広いお屋敷の中で拝観者は私だけでした。

「おぉ 今日はあったかかったので梅がまたたくさん開いたようですねぇ・・・・・」

そんなひとり言を頭の中で語りながら

しばし庄屋様の気分を楽しませていただきました。



    



それぞれの機能を持ったたくさんの部屋の中で、圧巻だったのは仏間でした。

まるで寺院の本堂のようで、いかに信仰とご先祖様を大切にされているかが伝わってきました。

その仏間で気になった事が一つ。

上に目をやると板までもがウルシ塗りで仕上げられた見事な竿縁天井

しばらく目を凝らしていると、板の幅が途中で狭くなり、

又途中から元の幅に戻っている事に気付きました。

「なぜだろう?」

いろいろと推測しましたが、全てにおいて一級な中にあって

材料の都合でそうなったとは考えられません。


疑問を抱えながら廊下を進み、上段の間に入ると、

障子を通した柔らかな夕方の陽光がやさしく招いてくれました。


障子を開けると歪んだ板ガラス越しにすばらしいお庭が。

「なんで今まで来なかったんだろう。」

そんな風に悔いていると、係りの方が

「この障子の張り方は石垣張り(千鳥張り)といって熟練を要するものなんですよ。」

と教えて下さいました。

紙と紙の継ぎ目をわざと縦の桟から外したところにもってくることで、

桟の規則性に継ぎ目のアクセントが加わり、不思議な落ち着きを感じさせます。



    



「仏間の天井の張り方の秘密は、案外この障子の張り方にヒントがあるのかも・・・」

しかし、それは推測にすぎません。

確かにそんな目であらためて天井を見ると、飽きのこない居心地のよさがあるように感じたのですが・・。



歪んだ板ガラス、石垣張りの障子、板の幅が違う天井・・・・・・・・・


「この場所でストーンズの音楽はどんな風に響くのだろう?」

頭の中で流してみました。


                      2009年4月6日

  


         






                ♪Wild Horses




#156  サティスファクション  〜 Hip to be square


「なんで続けてるのかって?   ・・・・・ん〜 そーだなぁ〜

まぁ 俺たちも少しずつだけど上達してるし、やっぱり好きだからね。」


これは何年か前に雑誌で読んだインタビューのひとコマです。


「あなた方は成功をおさめ、富も名声も手に入れた。

もう働く必要はないのになぜ走り続けているのですか?」


そんな問いに対しての受け答えなのですが、意外な発言にちょっとビックリしました。

発言の主がザ・ローリング・ストーンズのギターリスト、キース・リチャーズだからです。


「やっぱり好きだから」という答えは想像できます。

でも、「少しずつだけど上達してる」 というくだりは

40年も第一線で活躍してきたロックスターの言葉としては新鮮すぎるものでした。



昨晩、一人で映画館へ行きました。

お目当てはシャイン・ア・ライト

タクシー・ドライバーやザ・ラスト・ワルツなどを監督したマーティン・スコセッシ監督の作品です。


簡単に言えばローリング・ストーンズのライブを中心に構成された映画なのですが、

鑑賞中、何度も拳を突き上げて叫びたくなる衝動が湧き上がり、こらえるのに大変でした。

一方で冷静な自分が 「真面目な人たちだなー」 と、ストーンズの皆さんを尊敬しておりました。

かつて不良や反体制の象徴としてのイメージを持たれたストーンズですが、

若い頃のインタビューなどを見ても今と変わらない自然な対応をしており、ぶれていない印象があります。

又、ライブは 一生懸命 という言葉がとても似合う様子で、

「ホントにこの人たちは真面目だなー」 と、つくづく感心したり、見習わなければと反省したりしました。



映画の中で最後に歌われるストーンズ初期の楽曲 サティスファクション。


  (I can't get no) Satisfaction 〜 満足なんか出来やしない


このフレーズは世の中に対しての言葉だと思っていましたが・・・・・・・・


実は、自分たちに向けての言葉であるように思えて・・・・・


「つくづく真面目な人たちだなー」 と

そんなひたむきでしたたかな生き様に胸を熱くした映画の日1000円也でした。

                                      2009年4月2日





          




           ダイスをころがせ

           シャイン・ア・ライト





#155  ナイト・ミュージアム  〜 face to face


  「まだ間に合う! 一時間あれば駆け足で観て回ることができる!」


私は、そんな思いを抱きつつ上野公園内の噴水脇を息を切らし走っていました。

向かうは東京国立博物館。

お目当ては、数日前に始まったばかりの「国宝 薬師寺展」

出張の帰りがけ、あまり時間が無かったのですが思い切って行く事にしたのでした。

今からちょうど1年前の事です。


入館したのが午後4時。

閉館の時間は5時。 

残された時間はきっちり1時間。


「とりあえず、ざっと観て又の機会にじっくり観ることにしよう。」

そんなプランを立て、すごい数の拝観者の中を早足で観て回りました。


あっと言う間の1時間。

「そろそろ閉館のアナウンスがある頃・・・」

恐れながら拝観を続ける私。

しかし、周りの人たちは変わらずのんびりとした様子。

「?」

そして・・・

5時が過ぎても依然として閉館の気配がありません。

「?・・・」

インフォメーションで訊ねてみたところ、

「今はサクラの時期なので、期間限定で8時まで延長しています。

お庭もライトアップされますので是非そちらも外に出てご覧下さい。」

との事。

「・・・・・」

焦りまくっていたそれまでの自分を哀れに感じました。

と、同時にトップに入っていた心のギアが一段落ちて、喜びの回転数が上がりました。


「ラッキー!」


そこからの3時間・・・

最高でした。


どんどん来館者が帰っていき、7時過ぎには人影もまばらに。

そして、少し前の雑踏がウソのような静かな空間に・・・。


閉館15分前。

ついにその時が・・・・・。

スーパースター☆国宝の聖観音様と一対一の謁見。

(正確には5mほど離れた場所に監視役の女性が座っておられましたが・・)

もうあの時のようなかたちでお目にかかる事はないでしょう。




            



あれから1年・・・・・・

上野の森にドリームチームが集結します。

                      2009年3月27日





            








#154  粒  〜 providence


以前、大石田から最上川をカヌーで下りました。

それまで道路の高さからしか見た事がなかった母なる川を、

その流れに身を任せながら、水面のレベルで体感する経験は大変に新鮮なものでした。


漕ぎながら色んな思いが浮かんでは消えていきました。

その中で、馬鹿らしいと感じながらも今でも憶えている事があります。


「最上川に、自分は最上川だという自覚はあるのか?」


たぶん、

動力を持たない小舟で、車では入ることが出来ないような自然の中を通過したせいで

そんな疑問がわいたのでしょう。

左右に広がる山々に民家や送電線、看板などは見当たらず、

そんな風景が、原始のこの川を、私に想像させたのかもしれません。


さて今日は、

一昨年、当社ギャラリーでダンスパフォーマンス(#106)をして下さった、

加藤由美先生が主宰されているダンススペース

設立10周年を記念する「あしあと」と題された発表会におじゃましてきました。


大ホールを埋め尽くす観客に先ずはビックリ!

そして、20を超えるパフォーマンスのクオリティーの高さに驚嘆!

全く飽きる事無く、あっという間に時間が過ぎました。


そんな中で私が一番心を奪われたのは、

由美先生とフクベさんという男性の先生、そして、

20人以上の子どもさんたちによる「おまじない」という作品でした。


光の中、無数の水滴が一つになったり、また小さな一粒一粒の水滴になったり、

そんな、不思議な世界に迷い込んだような透明感あふれる舞台でした。


私が「水滴」と勝手に感じたのは2つ前のパフォーマンスが

大河 〜 
作品「最上川」より  というタイトルだったからなのかもしれません。

そんな連想から「おまじない」を拝見しつつ、

気が付けば上記のような最上川の思い出をたどっていました。


さみだれを集め、ひろき野を流れゆき、海に入る最上川。

海水はやがて蒸発し、雲になり、又雨粒となって野山を潤す・・・・・。

最上川に最上川という名前が付いていなかった頃から変わらない事。


勝手な思い込みから勝手な連想へと発展しました。


よい連休の締めくくりでした。

                       2009年3月22日




          




          おまじない




#153  はじめまして  〜 pleased to meet you 


春は別れの季節ですが、見方を変えれば

「別れに出逢う」出逢いの季節と捉えることが出来ます。

そして、その「別れという経験」との出逢いによって、

会った事のない未知の自分に出逢う季節でもあります。


今週は長女の中学校、次男の小学校の卒業式が続きました。

今まで当たり前に通っていた学校、当たり前にふざけ合っていた友人たち

当たり前に接していた先生方、そんな「当たり前の日常との別れ」との「出逢い」の場面でした。


4月に入るとそれぞれ高校、中学で新しい環境、新しい人々、

新しい自分との出逢いが待っています。

ひるむ事なく、色んな自分との出逢いを重ねて欲しいと願います。

そして、それは親である私自身にも言い聞かせたい言葉です。

                              2009年3月21日



       



             ♪旅立ちの日に

             ♪またあえる日まで





#152  眼  〜 realize 


何か物を買う時、

その物が 『自分の物』 として使われている時の事を想像するのは、

なかなか難しい事だと感じます。


「あの部屋に、このソファーを置いたら・・」

「持っている洋服に、この靴を合わせたら・・」

大きな買い物では

「この環境に、こんな家を建てたら・・」


一番いいのは、実際に現場に置いてみたり、身につけてみたりする事ですが、

なかなか叶うものではありません。

叶うものではないので、大抵は想像するしかありません。


お店の中で商品を前にして目を閉じ、自宅の空気感を頭の中に再現する。

その脳内自宅にその商品を置いてみる。

やってみると、物理的距離、心理的距離で想像の難易が左右される事に気付きます。

とりわけ、距離も遠く、文化も違い、空気も違う外国は、己の想像力が試される場です。



さて、現在 気に入って毎日のように使っている物があります。


         



高さ8センチほどの染付けのコップ。

昨年、家族で中国へ行った時に求めたものです。


暑い夏には氷を入れて冷たい麦茶、

寒い冬には濃い目に淹れた烏龍茶、

日本茶を注げば湯呑みに、

そしてビールもなかなかの味わい。

どんな飲み物も美味しくしてしまうオールラウンドプレーヤー。

手にした時しっくり来る大きさ、

飲み口の程よい厚さとカーブによる口あたりの良さも魅力です。



旅行中、上海のあるお店で、妻がそのコップを手にして、 

「これイイ!」 と、購入の打診をしてきました。

「エーなんでー 何に使うの? こんなの・・」 と私は、全く賛成しかねる旨を伝えました。

結局、求めて現在に至るわけですが、

今となっては 「こんなの」 とまで言った自分の、観る目の無さが恥ずかしいかぎりです。

そのお店はそれ以前にも何度かおじゃましていたので、

たぶんそのコップを目にしていたはずなのですが・・・・・・・

心の目には全く入っていませんでした。

その良さに気付く事もできませんでしたし、

その物を自分の家で使う時、どんな風に目に映るのか、

それがある事で、生活にどんな雰囲気がもたらされるのか、

そんな事は想像しようとすらしませんでした。

一緒にその店に行かなければ、何度その店に通っても

未だその良さに気付くことが出来ずにいた事でしょう。


物に限らず、そんな事って身の周りにたくさんあるような気がします。

                                  2009年2月26日





          




               ♪Heart of Gold



#151  時の流れに  〜 Still Crazy After All These Years 


先日、インナーイヤーレシーバーなるモノを購入しました。

従来型のレシーバーより耳の奥の方まで入り、かなり密閉感があるので

外の音が気にならず対象に集中できます。

深夜にホラー映画などをこのレシーバーをして観たら相当オッカナイかもしれません。

私はオッカナイのは好きじゃないので、寝る時に音楽を聴いています。


はまってしまったのがポール・サイモンの「時の流れに」というアルバム。

ここ30年ずーっとはまったままなのですが、

最新リマスタリング盤 + インナーイヤーレシーバー 

の効果で、新たな発見が・・・・・


ベースにドラムス、ギターにキーボード・・・そして声

シンプルな編成が紡ぎだす複雑でここちよい音の世界。

目を閉じて、頭の中に広がる音の海に身をゆだねると

私のハートはいつしかニューヨーク・・・・・・チャイナタウンでワンタンスープをちゅるり。


Still Crazy After All These Years 〜 時が流れた今でもあなたに狂ってる

今私がポール・サイモンにファンレターを出すとしたら、このアルバムタイトルを便箋に記すだけで充分です。

めんどくさいので出しませんけど。

                         2009年2月20日
 




               





               ♪Still Crazy After All These Years

               ♪The Muppet Show - Fifty Ways To Leave Your Lover

               ♪Gadd's 50 Ways








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