エッセイ・・・・・・・“ プライド ”
 
「あの人はプライドの高い人だから・・・・・」

この短いセリフに登場する "あの人のプライド" は持つべきモノか否か?

この場合、それを聞いたほとんどの人がプライドという言葉に

マイナスのニアンスを感じとり、

否定的な言い回しと受け止めるのではないでしょうか。

もし無理矢理この『プライドの高い』という箇所にルビをふるとすれば

どの様な文句が頭に浮かぶでしょう?

私なら

“人の話を聞けない” とか

“実力以上の実力があると勘違いしている” とか

更に意地悪な訳し方をすれば “本当は弱い” といったところでしょうか。



次に、「俺だって男のプライドってもんがあるよ・・・・・」

この場合の『男のプライド』はどんな風に変換できるのでしょうか?

前出の例よりもプラス、マイナスのイメージが明確でない分、

意見の分かれるところでしょうが、

プラスイメージで受けとるなら

“家族を守り、なわばりを死守するオスライオンとしての誇りの様なもの”

マイナスイメージでとらえるなら

「狩りはメスがやってくれてます。 

             それにしてもどうです?このたてがみ、カッコイイでしょ!」

という様な根拠のない自信。

とまあこんな具合でしょうか。


英語で使われる時にもプライドという語には

『誇り』 と 『うぬぼれ』 という二面性がある様です。

もしプライドさんにインタビューする事ができたら

「最近あんまりいい使い方してもらってないですネー」

なんてぼやかれそうです。


「リスペクト ユアセルフ」

“あなたは、あなた自身に、もっと敬意を払いなさい。”

アメリカ映画を観ていると親が子供を叱るシーンなどで

このフレーズを耳にする事があります。

「やめなさい!」の代わりに、「リスペクト ユアセルフ」・・・・・・・

直訳された意味の裏に

「なぜなら私にとってあなたはかけがえのない存在なのだから」

という意味が込められている様な気がして、

厳しいけれど愛情のこもったとても優しい言葉だと思います。

試しにこの “ユアセルフ” の部分に違う言葉を入れてみましょう。

「リスペクト アワ ライフ」

夫は妻を、妻は夫を尊敬するだけでなく

夫と妻という二人からなる夫婦という関係に対して敬意をはらう・・・・・・

世の中から夫婦ゲンカがなくなるかも?!

「リスペクト アワ アース」。

我らが地球に敬意を払おう!ポイ捨てがなくなるかも・・・・・


こんな風に自分と自分を取り巻く人々や環境に対して尊敬の念を持つ、

もしくは持とうと心掛けるなら、誰に自慢する必要もない

本当の意味でのプライドを手にする事ができるかもしれません。

自戒を込めて。




                                      合 掌

    
                                      原田 裕行


       
              当社謹刻 善財童子             



平成12年12月に発行された持地院様寺報「羅漢」に掲載されたものです。


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